相続放棄で増える相続人の巻

相続放棄をすると、相続に関する権利義務のすべてが次の順位の相続人にまわっていきます。そこでまた手続きが必要になるわけです。

清澤司法書士事務所にいただいた依頼の中から、相続放棄によって新たな相続人が増えてしまい、新たな手続きが必要になった例をご紹介します。

借金が多い場合は相続放棄

Aさんが亡くなり、相続人である奥様からのご依頼でした。相続人は奥様と2名の子どもです。プラスの財産より借金がはるかに多いため、3名とも相続放棄をしたいとの依頼内容でした。

相続放棄で相続人の人数が倍増

Aさんの相続人3名(奥様とお子様2人)が相続放棄をすれば、次順位の相続人は、Aさんのご兄弟と、亡くなっているご兄弟の子ども(Aさんの甥姪*代襲相続人)を含め7名いらっしゃいました。

*代襲相続人(だいしゅうそうぞくにん)とは、相続人になるはずだった子または兄弟姉妹の代わりに相続人となる者を指します。本来の相続人が被相続人より先に死亡した場合や、相続欠格や推定相続人の廃除によって相続権を失った場合などに使われます。「代襲者(だいしゅうしゃ)」とも呼びます。

会ったこともない相続人が登場

ご兄弟のうち、末っ子であるAさんだけが後妻との間の子でした。その理由もあってなのかは不明ですが、関係は疎遠でした。またみなさま遠方にお住いで、ご高齢のため相続放棄手続きを全員分行うのはとても難しい状況でした。

さらには、ご兄弟たちのお話だと、亡くなった兄弟の1人に息子がいたそうですが、その子も亡くなっているとの認識でしたが、戸籍を取り寄せたところ、ご健在でした。

もちろん、どなたもご連絡先など知るわけもありません。

疎遠な相続人との連絡や手続きも代行

ご依頼を受けた当事務所では、まずAさんの奥様、子ども2名の相続放棄手続きを完了させ、次順位のご兄弟にお電話と郵送を使って、手続きの案内と裁判所からの照会書の対応についてもフォローさせていただきました。

最後に、どなたも連絡先をご存じでなかったAさんの甥っ子の1名に関しては、戸籍の附票を取り寄せ、現在のご住所を確認後、すぐさま手続きのご案内のお手紙をお送りして、ご事情をご理解いただき、相続放棄の手続きをご支援させていただきました。

当初、ご依頼人様が把握していた人数よりも大幅に増えてしまいましたが、すべての相続人が相続放棄の手続きを無事終え、奥様もホッとされたご様子でした。

まとめ:相続放棄手続きはプロにお任せ

トラブルを防ぐためにも、自分が相続放棄をしたら次順位の相続人に伝えることが望ましいです。

相続の形はさまざま、被相続人と相続人の関係や状況、遺産の種類など、ひとつとして同じものはありません。相続放棄の予期せぬトラブルを防ぎ円満に進めるためには、相続のプロである司法書士にご相談いただくことをおすすめします。

清澤司法書士事務所の相続放棄手続きの成功率は100%です。初回相談は無料ですので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

ご家族にこの記事を教えたり、記事を保存したい場合、下のボタンで共有・保存できます。
Tweets by tokyo_souzoku