インスペクション(建物状況調査)とは、家や建物にどのような傷みや不具合があるかを、専門家が客観的に調べる調査のこと。
人でいえば「健康診断」に近く、見た目ではわかりにくい問題がないかを確認する目的で行われる。
調査を行うのは、国が定めた講習を修了した建築士である。建築の知識を持つ第三者が、特定の立場に偏らず、建物の状態をチェックする。
調査では、次のような場所を中心に目視や簡単な計測で確認する。
- 屋根や外壁にひび割れやズレがないか
- 床下に腐食やシロアリ被害がないか
- 室内の床や壁に大きな傾きや沈みがないか
- 水回りに雨漏りや水漏れの跡がないか
- 柱や梁など、構造部分に異常がないか
ただし、壁を壊したり床をはがしたりするような調査は行わず、あくまで「今、目で確認できる範囲」での診断になる点は理解しておく必要がある。
中古住宅の売買では、買う側にとっては「安心して購入できる判断材料」になり、売る側にとっては「事前に建物の状態を把握し、後から欠陥を指摘されるリスクを減らす」効果がある。
たとえば、売却後に「雨漏りがあった」「シロアリ被害があった」といったトラブルになると、修理費用や損害賠償を求められる可能性もある。インスペクションは、こうした後のもめごとを防ぐための予防策ともいえる。
インスペクションの実施は、法律上の義務ではない。しかし、国は中古住宅の流通を活発にするため、インスペクションの活用を進めており、不動産会社には「インスペクションを行うかどうか」の説明義務が課されている。
そのため、近年では「中古住宅を売る・買う前にインスペクションを行う」という流れが、少しずつ一般的になってきている。















