相続用語集:遺産分割協議書

遺産分割協議書(いさんぶんかつきょうぎしょ)とは、相続人全員が「遺産をどう分けるか」について合意した内容をまとめた書面のこと。相続財産を「誰が・何を・どれだけ受け取るのか」をはっきり書き残すための、相続手続きの中核となる文書である。

この書面があることで、不動産の名義変更、銀行預金の解約や名義変更などが進められる。また、後から「そんな話は聞いていない」といったトラブルを防ぐ役割も果たす。

法律上、決まった書式はないが、相続人全員の署名と実印の押印が必須となる。一人でも欠けると無効になる。不動産や金融機関の手続きでは、ほぼ必ず提出を求められる。

主な記載事項

  • 亡くなった人(被相続人)の氏名・本籍・最後の住所・死亡日
  • 相続財産の内容(不動産、預貯金など)
  • 誰が何を取得するかの具体的な分け方
  • 協議が成立した日
  • 相続人全員の住所・氏名・署名・実印の押印

記載内容に誤りがあると、登記や金融機関の手続きが止まる。不動産が含まれる場合は、登記事項証明書の表記と完全に一致させる必要がある。

よくある質問

Q. 有効期限はある?

A. 法律上の期限はない。ただし、相続税の申告期限(死亡日の翌日から10か月)や、相続登記の期限(2024年4月以降は相続開始から3年以内)があるため、作成後は早めに手続きを進める必要がある。

Q. 作り直すことはできる?

A. 相続人全員が再度合意すれば可能。ただし、すでに名義変更が終わっている場合は再登記が必要となり、費用が二重にかかる。内容によっては贈与と判断され、贈与税が課される可能性もある。

Q. 相続放棄をした人の署名は必要?

A. 不要。相続放棄をした人は、最初から相続人でなかったものとして扱われる。ただし、家庭裁判所で相続放棄が正式に受理されていることが前提となる。

Q. 自分で作るか、専門家に頼むかの目安は?

A. 預貯金のみで争いがなければ、自分で作成することも可能。不動産がある、相続人が多い、意見の対立がある、相続税の申告が必要な場合は専門家に依頼する方が安全だ。
司法書士は登記とセットで依頼しやすく、弁護士は対立があるケースに強い。

Q. 何通作ればよい?

A. 相続人の人数分を作り、それぞれが1通ずつ保管するのが一般的。登記用に法務局へ提出する分が必要になることもあるが、原本還付を利用すれば1通で足りる場合もある。

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