相続用語集:任意後見契約

任意後見契約(にんいこうけんけいやく)とは、将来判断する力が弱くなったときに備えて、自分の財産や生活を管理してもらう人をあらかじめ決めておく契約。お願いしたい人に承諾してもらい、公証役場で公正証書を作って成立する。判断能力が低下したあとに家庭裁判所が「任意後見監督人」を選ぶことで、契約が実際に動き出す仕組みになっている。

例えば父が高齢になり「もし認知症になったら財産管理を長男に任せたい」と考えた場合、父は長男と任意後見契約を結んでおくことができる。父が亡くなる前に判断力が落ちても、長男が契約に基づいて財産を管理し、生活費の支払いなどを続けられる。

その後父が亡くなったとき、長男は相続人として遺産分割に参加するだけでなく、任意後見契約で管理していた財産の状況を他の相続人に説明する立場にもなる。契約があることで「誰が財産を管理していたか」が明確になり、相続の話し合いがスムーズに進む。

Tweets by tokyo_souzoku