催告の抗弁権(さいこくのこうべんけん)とは、保証人が債権者から弁済を請求された場合に、「まず主たる債務者に対して支払いを催告すべきである」と主張できる権利である。保証人は補助的地位に置かれているため、債権者がいきなり保証人に請求することを避ける趣旨の制度である。
検索の抗弁権と違い、催告は“催促”にとどまり、検索は“財産から取り立て”まで求められる。保証人を守るための仕組みだが、最終的には保証人が支払う可能性もある。
実例
Aさんが銀行から借入れを行い、Bさんがその保証人となった場合、銀行からBさんに返済請求があれば、Bさんは「まずAさんに催告すべきである」と抗弁することができる。
また、Cさんが友人Dさんの借金の保証人となっている場合、債権者がCさんに直接請求してきた場面でも、Cさんは「先にDさんへ催告すべきである」と主張できる。
よくある質問
Q:催告の抗弁権を使えば保証人は支払わずに済むのか。
A:主たる債務者に催告しても弁済がなされなければ、最終的には保証人が支払うことになる。
Q:検索の抗弁権との違いは何か。
A:催告の抗弁権は「まず主たる債務者に支払いを催促せよ」と主張する権利であるのに対し、検索の抗弁権は「主たる債務者の財産から先に取り立てるべきである」と主張する権利である。前者が「催告」、後者が「財産の調査・執行」を求める点に違いがある。
Q:相続と関係はあるか。
A:関係がある。保証人が死亡した場合、その保証債務は相続人に承継される。相続人も催告の抗弁権を主張できるが、主たる債務者が弁済しない限り、最終的には相続人が保証債務を履行することになる。















