相続用語集:成年後見制度 

成年後見制度(せいねんこうけんせいど)とは、認知症や知的障害、精神障害などにより判断能力が不十分となった人に代わり、財産管理や契約行為を行う仕組みを指す。家庭裁判所が選任した成年後見人等が本人の利益を保護しながら代理行為を行う。制度には、判断能力の低下後に利用する法定後見と、将来に備えて本人があらかじめ後見人を指定しておく任意後見がある。

法定後見は「後見・保佐・補助」の三類型に分かれてきたが、本人の意思が反映されにくい点や終身利用になりやすい点が課題とされてきた。2024年の制度促進法改正では、本人の意思決定支援を重視する方向へ運用が強化された。さらに2026年の民法改正案では、三類型の一本化や、後見開始の効力を一定の目的達成後に終了できる仕組みへの転換が示されており、必要な場面に限定して利用できる柔軟な制度への見直しが進んでいる。

相続では、判断能力が不十分な相続人が遺産分割協議に参加するために成年後見人等の選任が必要となり、後見人と本人が同じ相続の当事者となる場合には特別代理人の選任が求められる。不動産売却など大きな財産処分には家庭裁判所の許可が必要となる場面も多く、手続きには時間を要することがある。

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