自分が亡くなった後の手続きはどうなるの?

人の死後は、さまざまな手続きが発生します。
入院費の支払い、死亡届、遺体の引き取りや葬儀・・・
これらの「死後事務」は、だれが手続きをしてくれるのでしょう??

親族がいない、もしくは親族はいるが面倒をかけたくない。といった方は

「死後事務委任契約」をご検討ください。

「死後事務委任契約」とは

 自分が亡くなった後の手続き=「死後事務」について、あらかじめ誰かと契約を結び、きちんと依頼しておく方法です。死後に自分がお願いしたいことを指定して契約を結びます。

たとえば・・・

・役所への届出

・生前の医療費など未払分の清算

・死亡したこと等、友人や知人への連絡

・葬儀や埋葬の手続き  など

上記以外の事務も委任することができます。ご自分がお願いしたい死後事務の内容を契約書に記載しましょう。

「任意後見契約」+「死後事務委任契約」

「死後事務委任契約」は「任意後見契約」とセットで締結される方がほとんどです。

「任意後見契約」とは

「成年後見制度」は、判断能力が低下したに使われる制度であるのに対して、「任意後見制度」は、判断能力が低下するに、本人が後見人となってほしい人を指定します。それゆえに「任意後見契約」を締結される方は、親族がいらっしゃらない方や、親族はいるが疎遠という方が大半です。そして、成年後見人であっても、任意後見人であっても、その役目は、本人の死亡と同時に終了します。つまり、原則、死後事務については、後見人は手続きを進める権限も義務もなくなるのです。

そこで登場するのが「死後事務委任契約」です。

誰と契約する?

一番の問題かもしれません。

信頼できる人、安心して任せれる人がいて、その方が了承してくれると良いですが、簡単なことではありません。契約によって、手続きをする「義務」が発生するので、それなりの負担が発生するからです。

そういった不安を抱えていらっしゃる方や適任者がいない場合は、より確実に安全にということであれば司法書士等の専門家に依頼することをお勧めします。

ただ、司法書士等の専門家に依頼する場合は、報酬が発生します。おおよそ月20,000円~50,000円です。
※親族に依頼をする場合に報酬を決めるケースは少ないと思いますが、親族だから無報酬でなければならないということはありません。

報酬を設定する場合は、契約の中で明記することが必要ですので、契約書を作成する場合は、十分注意してください。

遺言書でバッチリ!?

遺言は、大切です。相続争いを防ぎたい、財産を自分の希望通りに分けてほしいなどの思いを伝え、自分の希望を実現させるには遺言書はとても良い方法です。しかし、「死後事務」に関しては、遺言では法的に実現させることが出来ません。「遺言書」と「死後事務委任契約」は役割が違いますので、ご注意ください。不備なく、無駄なく、ご自分の希望を叶える準備は、司法書士等の専門家にご相談ください。

この記事の執筆・監修

清澤 晃(司法書士・宅地建物取引士)
清澤司法書士事務所の代表。
「相続」業務を得意とし、司法書士には珍しく相続不動産の売却まで手がけている。
また、精通した専門家の少ない家族信託についても相談・解決実績多数あり。

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