遺産分割協議書の内容が守られなかった場合の対象方法は?

相続が発生し、遺言書がない場合は配偶者や子、兄弟など相続人全員で話し合いの結果、遺産の分割方針が決まったら遺産分割協議書を作成し、相続財産の手続きを進めます。
遺産分割協議書は相続人同士で様々なことを約束しますが、遺産分割協議で成立した約束を守らない人がいる場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。当記事では遺産分割協議書で決められた事項を守らない人がいる場合の対応方法について解説します。

目次

遺産分割協議書が守られないケース

本人が署名・押印した遺産分割協議書の内容が守られないケースとは具体的にどのようなことが考えられるのでしょうか。

ケースとして多いのが債務の不履行です。被相続人が負っていた債務を引き継ぎ返済すると約束したにもかかわらず後で義務として負った金額を返済しないケースや代償分割でアクセスがよく価値の大きい土地を引き継ぐ代わりに他の相続人に手持ちの現金を支払う約束をしたにも関わらず返済しないという事例が考えられます。

遺産分割協議の内容を守らない人への対処法


遺産分割協議書で合意した事項を守ってくれない人がいた場合、どのように対応すれば良いのでしょうか。具体的に解説します。

まずは話し合い

遺産分割協議書の内容を守らない相続人がいる場合、まずはしっかりと話し合いをすることが重要です。守られないからといって、自動的に無効となり、やり直しとなるわけではありません。債務不履行の場合は少し待てば返済する原資を確保できるのか、そもそも履行する気がないのかによっても対処法は異なります。

弁護士を交えた話し合い

相続人同士での話し合いで解決できい状況が続く場合は弁護士など第三者を交えて話し合いを行いましょう。
当事者同士での話し合いでは感情的になり解決できない場合でも、第三者を交えて話をすることで解決できる可能性があります。

遺産分割協議をやり直す

債務が履行されない場合、遺産分割協議をやり直すと言う方法も考えられます。
しかし、相続人のうち一部の人への債務が不履行である場合、遺産分割協議をはじめからやり直すことは他の相続人にとっても負担となります。そのため、基本的に遺産分割協議は法定相続人全員の合意がないとやり直すことができないと定められています。

裁判で解決する

前もって話し合いを行っても、どうしても応じてもらえない場合には最終的には家庭裁判所で訴訟を提起し、調停や審判によって解決することになります。

遺産相続で裁判となった場合、相続人の精神的な負担も大きく関係も修復できないほど悪化するケースも多いので、デメリットも大きい手段です。裁判は最終的な手段として考え、できるだけ裁判にせず対処することが重要です。

困った場合は専門家に相談を

相続についての手続きは複雑で、預貯金の名義変更や不動産の登記などさまざまな手続きを行う必要があります。相続手続きや遺産分割についてお困りごとがある場合は相続に関する実績のある弁護士、司法書士、税理士など専門家に相談することをお勧めします。

特に相続税の申告が必要な場合、原則、被相続人が亡くなってから10ヶ月以内に申告と納税を完了させる必要があります。財産を一覧にして相続税がかかりそうかどうか、確認しておきましょう。
相続については経験がない人も多く知識がないのは当然です。費用はかかりますが1人で抱え込まずに専門家に相談することで、スムーズに手続きを進めることができるでしょう。

また、相続の対策をする際も専門家に相談することをおすすめします。遺言を作成する際も民法で定められた法定相続割合や遺留分など法律的な知識を身につけていないと正しい遺言を作成することができません。

専門家に相談することで価値のある相続対策を進めることが可能です。まずは気軽に相談してみるとよいでしょう。

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