遺言の相談は専門家にするべき?専門家に相談するメリットと相談相手について解説!

生前の相続対策として遺言の作成を検討している人は多いでしょう。遺言書を作成する際に自分で作成することは不安だと感じる方も多いのではないでしょうか。

遺言の作成については専門家に相談することで、しっかりとした内容の遺言書を作成することができます。当記事では遺言の作成を専門家に相談するメリットと相談相手について解説します。

目次

専門家に相談するメリット

専門家に相談することでどのようなメリットがあるのでしょうか。具体的に確認してみましょう。

不備なく作成することができる

遺言書は日付や署名・捺印をするなど形式的な要件を備えておく必要があります。要件を満たしていない場合は、不備により無効となる可能性もあります。

専門家に内容を確認してもらい、作成することでそのような不備は無くすことができます。また、土地や建物、金融機関などの記載も正確に記載することができるでしょう。

遺言書のルールは民法で定められています。法律に詳しい弁護士や司法書士等の専門家に内容を確認してもらうことで、不備がない遺言を作成することができるでしょう。

遺産分割の方法に問題がないか確認できる

遺言書を作成することで、基本的に遺言書どおりに遺産分割を行うことになります。しかし、遺留分を侵害している場合など、遺言書のとおりにわけられないような遺言となる可能性があります。遺留分とは配偶者や子どもなどが最低限、相続財産をもらえる権利のことで、遺言を作成しても財産の取得を希望する場合は侵害することはできません。

遺言があることで、子ども同士がトラブルになり、調停や審判によってしか解決できなくなるケースもあります。トラブルを回避するためにも内容をしっかりと検討することが重要です。

専門家に相談しておくことで、このような遺言書で問題ないか事前に確認することができるでしょう。

相続税も勘案して作成することが可能

遺産分割をする際に配偶者控除や小規模宅地の特例などを活用することで、相続税の負担を軽減することができます。遺産の配分の際に相続税の負担もふまえて配分を検討することも重要です。特例の利用は受け取る者によって、利用可否が異なるケースが多いので、誰が受け取るかによって税額も大きく異なります。

相続税の特例や税制などの情報に詳しい税理士に依頼することで、相続税の負担もふまえた内容で検討することができるでしょう。また、基礎控除を超えている場合は相続発生の翌日から10ヶ月以内に税務署の窓口で相続税の申告を完了する必要があります。

相続税の申告を怠った場合や計算を誤って過少申告をした場合、税務署による調査で指摘され、加算税を請求される可能性があります。

執行者に指定することも可能

執行者とは遺言書に記載されたとおりに金融機関の名義変更や不動産の登記手続きなどを行う人のことです。相続が発生した際の手続きは複雑で、相続人が自分で行うこともできますが、専門家に依頼することで安心して手続きを進めることができます。

執行手続きの費用を支払うことになりますが、遺言作成時に執行の予約をしておくことで相続発生時にスムーズに手続きを進めることができるでしょう。

遺言の相談相手

遺言を作成する際はどのような相手に相談をすればよいのでしょうか。具体的な相談相手について紹介します。

士業の事務所

弁護士や司法書士、税理士などが所属する事務所に相談をし、遺言について相談することが可能です。ただし、士業の中に相続についての業務を行っていない場合もあります。

事前に法律事務所や税理士事務所のサイトなどで確認し、相続について業務を行っている事務所を検索して依頼するようにしましょう。

法テラス

法テラスは各地で法律相談窓口を開設しており、弁護士や司法書士に相談することができます。ただし、収入や資産基準が一定額以下の人のための相談窓口のため、資産家の方が相談に利用することはできません。収入の基準は東京・大阪の大都市とそれ以外の地域で異なります。法テラスでの相談を希望する場合は、相談可能かどうか事前に確認するようにしましょう。

公証役場

公証役場では公正証書遺言を作成することができます。公正証書遺言は自筆証書遺言とは異なり、作成時点で法律上有効なことが確定します。そのため、確実に遺言を作成したい場合は公正証書で作成することをおすすめします。

ただし、公証役場の公証人は個別的なアドバイスをすることはありません。あくまで法律上有効な遺言を作成するための手続きであるということを理解しておきましょう。

遺言書を作成する際の注意点

遺言書を作成する際はどのような点に気を付ければよいのでしょうか。遺言を作成する際の注意点について確認しておきましょう。

遺言の存在を相続人に伝えておく

せっかく遺言を作成しても、見つかるまでに時間がかかってしまうと、かえって相続人に負担がかかってしまう可能性があります。遺言書を作成した場合は保管場所も含めて相続人のうち誰かに伝えておくようにしましょう。

また、遺言書を作成する際に財産の一覧も一緒に保管しておくことが重要です。取引金融機関がわからないと、手続きに時間がかかってしまいます。

家族も納得できるような内容にする

せっかく遺言書を作成しても家族が納得がいかない内容であれば、相続放棄をする人がいるなど遺言書どおりに分けられない可能性があります。場合によっては、家族とも事前に相談し、意思を確認しておくようにしましょう。

書き換えも視野に入れておく

遺言書は亡くなるまでに作成すればよいと考える人も多いと思いますが、実際には遺言を作成してから遺産の内容や相続人との関係が変わることもあるでしょう。しかし、相続発生の直前まで作成しないと、認知症などの体調の問題で作成できない可能性があります。

専門家に相談するメリットは大きい

遺言書の作成をする際に、専門家に相談するメリットは大きいものです。遺言書は法律や税金などさまざまな制度が複雑に絡み合っており、慣れていない人にとって内容を検討することや添付する書類を作成することは簡単なことではありません。

正式に契約を結ぶと報酬を支払うことにはなりますが、専門家のアドバイスを受けて、ポイントをおさえて遺言をすることで、相続人の負担を大きく下げることができます。

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