遺言書に記載のない財産はどう分ける?

相続が発生し、遺言書がある場合は、遺言書どおりに財産を分けることになります。しかし、遺言書に記載のない財産がある場合、どのように分けたらよいのでしょうか。

当記事では遺言書に記載がない場合の対応や遺言書を作成する際の注意点について解説します。

目次

遺言書で指定できること

生前に遺言書を作成することで、財産の残し方を指定することができます。遺言書を書くことで相続人以外の人にも財産を遺すことができます。孫や子どもの配偶者、子どもがいる場合の兄弟姉妹など被相続人から見て法定相続人以外の親族に遺すこともできますし、お世話になった友人や知人に財産を遺すことも可能です。

また、遺言書では預金や株式などの金融資産や不動産等を処分や換金して分割するなど、各人への分割の方法も指定することができます。

遺言書に記載のない財産の分け方

遺言書に記載漏れがあり、明確な記載のない財産がある場合は、相続放棄をした人を除き法定相続人全員で遺産分割の協議を行う必要があります。相続が発生し、遺言どおりに手続きをした後に遺言書には記載されていない不動産や金融機関の取引が見つかる場合があります。

内容によっては、遺産分割の協議が必要なだけでなく、取得した者が相続税の申告を再度行う必要が生じるなど対応が必要な事例もあります。遺言書に記載のない財産がある場合は、法定相続分を基準に分け方について話し合いのうえ決めることになります。

遺言を作成する際の注意点

相続発生時の対策として遺言を作成する人が増えていますが、しっかりとした内容の遺言を作成しないと、かえって揉めて負担が増えるケースもあります。遺言を作成する際の注意点について確認しておきましょう。

形式要件に不備があると無効になる

遺言書の形式は民法で定められており、日付や署名がないと不備となってしまいます。自筆証書遺言の場合は家庭裁判所での検認も必要です。形式不備などの問題があると遺産の配分が遺言通りにできないため、不安な点がある場合は法律事務所などに相談して作成するようにしましょう。

形式不備に不安がある場合は、公証役場で作成する公正証書遺言を検討してみてはいかがでしょうか。

遺留分を侵害すると遺言どおりに分けられない

配偶者や子、親には最低限の財産を受け取る権利である遺留分が認められています。遺留分を侵害するような遺言を作成しても遺留分を侵害された者が遺留分を請求した場合は、遺留分相当額の現金を渡す必要があります。

遺留分を侵害すると、相続財産を遺言どおりに遺産相続することができず、争いになるケースもあります。場合によっては、弁護士を交えての話し合いや家庭裁判所での調停や審判に進むケースもあります。せっかく遺言を作成したとしても遺言を利用して分けられない状態にならないように、遺留分には注意しましょう。

遺言書を作成していることがわからないケースがある

遺言書を作成しても相続人が遺言書があることを知らず、遺産分割協議を行い、相続手続きが終わった後に見つかったというケースも多くあります。遺言書を作成しても相続人が知らないと意味がありませんので、遺言書を作成していることや保管場所を伝えておくようにしましょう。

遺言書の作成は専門家に相談を

遺言書の作成は法律上の要件を満たす必要もあり、知識や経験がないと難しいものです。自分で作成する際に書き方や内容に不安がある場合は、司法書士や弁護士、税理士などの専門家にサポートを依頼するとよいでしょう。

清澤司法書士事務所では初回の相談無料で相続関する相談に対応しております。他にも被相続人が亡くなってから10ヶ月以内に申告が必要な相続開始後の相続税の申告や名義の変更や不動産の登記など相続手続き全般のサポートが可能です。お気軽にお電話やメールでご連絡ください。

ご家族にこの記事を教えたり、記事を保存したい場合、下のボタンで共有・保存できます。
Tweets by tokyo_souzoku