実際の相続で焦らないための遺産分割の基本ルール

相続の話になると、「手続きが難しそう」「法律のことがよくわからない」と感じて、つい後回しにしてしまいがちです。

しかし実際のところ、遺産分割の基本的な仕組みは、いくつかのルールを押さえておくだけで理解しやすくなります。

もちろん、実際の相続では家族関係や財産の内容によって事情はさまざまです。それでも、大まかな流れを知っておくだけで、いざ相続が起きたときの不安は少しだけ解消されるでしょう。ここでは、遺産分割の基本ルールをできるだけシンプルに整理してみます。

目次

遺言書があれば、その内容が基本になる

相続で最初に確認すべきなのは「遺言書があるかどうか」です。
遺言書が残されている場合、原則としてその内容に従って遺産分割が進みます。誰にどの財産を渡すのか、どのように分けるのかは、亡くなった方の意思が尊重されるのが基本です。

ただし、ここで知っておきたいのが「遺留分」という考え方です。遺留分とは、配偶者や子どもなど一定の相続人に法律上保障されている最低限の取り分のことです。たとえば遺言書で「すべての財産を特定の人に渡す」と書かれていた場合でも、遺留分が侵害されていれば、その相続人は取り戻しを求めることができます。

つまり、遺言書があれば相続の方向性は決まりますが、必ずしもすべてが思い通りに進むとは限らないという点は覚えておく必要があります。

遺言書がない場合は、相続人全員の話し合い

もし遺言書がない場合には、相続人全員で「遺産分割協議」を行うことになります。
ここで重要なのは、相続人の一人でも合意しなければ、遺産分割は成立しないという点です。

「家族だから大丈夫」と思っていても、いざ財産をどう分けるかという話になると、思わぬ意見の違いが出てくることがあります。特に、長年会っていなかった兄弟姉妹がいる場合などは、話し合いが思った以上に難しくなるケースも珍しくありません。

話し合いの目安になるのが、法律で定められている「法定相続分」です。
たとえば、配偶者と子ども二人が相続人の場合、配偶者が二分の一、子どもがそれぞれ四分の一という割合になります。

ただし、この割合はあくまで基準です。相続人全員が納得していれば、必ずしもこの通りに分ける必要はありません。家族の事情に合わせて自由に決めることができるのも、遺産分割協議の特徴です。

財産の分け方は一つではない

遺産の分け方にも、いくつかの方法があります。
もっともイメージしやすいのは、財産をそのまま分ける「現物分割」です。預貯金などであれば、比較的シンプルに分けることができます。

しかし相続財産の中に不動産がある場合、事情は少し変わります。自宅を物理的に分けることはできませんし、「住み続けたい人」と「売却して現金を受け取りたい人」の意見が対立することもあります。

こうした場合によく使われるのが「代償分割」です。たとえば一人が不動産を取得し、その代わりに他の相続人へ現金を支払って調整する方法です。また、不動産を売却して現金化し、その代金を分ける「換価分割」という方法もあります。

このように、遺産の分け方にはいくつかの選択肢があり、家族の状況に合わせて柔軟に考えることが大切です。

相続は「100家族あれば100通り」

ここまで遺産分割の基本ルールを整理してきましたが、実際の相続は本当にさまざまです。

家族構成、財産の内容、住んでいる場所、兄弟姉妹の関係性などによって、同じケースはほとんどありません。

そのため、「一般的な説明と自分の家の状況が違う」と感じることはむしろ自然なことです。大切なのは、基本を知ることで「自分たちの相続ではどこがポイントになるのか」を見つけられるようになることです。

漠然とした不安のままでは動き出しにくいものですが、問題の整理ができるだけで、次に何をすればいいのかが見えてくることも多いのです。

相続の悩みは、早めの相談で整理できることがある

遺産分割は、法律だけでなく家族の感情も関わるため、当事者だけで解決しようとすると難しくなることがあります。

「話し合いがまとまらない」「何から手をつければいいかわからない」「そもそも自分たちのケースはどう進めればいいのか知りたい」――こうした悩みは、多くのご家庭で共通しています。

清澤司法書士事務所では、相続や遺産分割に関するご相談を数多くお受けしています。状況を丁寧に整理しながら、どのように進めるのがよいのかをわかりやすくご説明しています。

「まだ具体的に決まっていないけれど少し不安がある」という段階でも構いません。初回のご相談は無料で承っておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。相続の悩みを一つずつ整理し、安心して手続きを進められるようお手伝いいたします。

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