目次
- 戸籍を抜いても相続権はなくならない
- 戸籍を抜いた場合の相続権をケース別に解説
- 戸籍を抜いた人の相続権がなくなるケース
- 親の遺産を相続したくない場合の対処方法
- 戸籍を抜いた後の相続トラブルを防ぐための注意点
- まとめ
親の戸籍から除籍された場合、親が亡くなった後の遺産相続はどうなるのか気に
結婚や分籍によって戸籍が変わっても、法律上の親子関係がなくなるわけではありません。
そのため、原則として嫌の財産の相続権は維持されます。
この記事では、戸籍を抜いた場合の相続権への影響や、相続人にならないケース、相続放棄の方法、遺産分割でトラブルを防ぐための注意点について解説します。
戸籍を抜いても原則として相続権はなくならない
結論からいうと、親の戸籍から抜かれても親の財産を相続する権利は原則としてなくなりません。
民法では、亡くなった人(被相続人)の配偶者や子どもなど、一定の親族を法定相続人と定めています。
相続人になるかどうかは法律上の親族関係によって判断され、同じ戸籍に入っているかどうかは関係ありません。
例えば、結婚して親の戸籍から除籍された子どもも、親が亡くなれば相続人になります。長年別居していたり、親と連絡を取っていなかったりする場合も同様です。
親が所有していた預金や不動産などの相続財産について、ほかの兄弟姉妹と遺産分割協議を行う権利があります。
戸籍を抜くことと除籍・分籍の違い
一般的に「戸籍を抜く」とは、結婚や分籍などによって、それまで所属していた戸籍から離れることを指します。
除籍は、婚姻や死亡、転籍などによって戸籍に記載されている人がその戸籍から除かれることです。
また、分籍は、戸籍の筆頭者とその配偶者以外の成年者が、現在の戸籍から独立して新しい戸籍を作る手続きを指します。
いずれも戸籍上の手続きであり、それだけで法律上の親子関係や相続権が消滅するわけではありません。
戸籍を抜いた場合の相続権をケース別に解説
戸籍を抜く理由によって、相続への影響は異なります。代表的なケースを確認しましょう。
結婚して親の戸籍から抜けた場合
結婚して新しい戸籍を作っても、実の親との親子関係は変わりません。
例えば、長男が結婚して親の戸籍を抜いた場合でも、親が亡くなれば法定相続人になります。ほかの兄弟姉妹と同じく、法定相続分に応じた相続権があります。
また、結婚によって姓が変わった場合も同様です。
戸籍や氏の変更だけを理由に、相続人から外されることはありません。
分籍して親の戸籍から抜けた場合
分籍によって自分だけの戸籍を作った場合も、親の遺産を相続する権利は維持されます。
分籍は戸籍を独立させる制度であり、親子関係を解消する手続きではありません。
親との関係が悪化して分籍した場合でも、親が死亡すれば原則として相続人になります。
分籍によって親の借金などの相続義務がなくなるわけでもないため、注意が必要です。
離婚して戸籍が変わった場合
夫婦が離婚すると、元配偶者の相続権はなくなります。
例えば、夫婦が離婚した後に元夫が亡くなっても、元妻は原則として元夫の法定相続人にはなりません。
一方、離婚しても親子関係は継続するため、子どもの相続権はなくなりません。
親権を持たない親が亡くなった場合でも、その子どもは相続人になります。
養子縁組をした場合
普通養子縁組では、養親との間に法律上の親子関係が成立しますが、実親との親子関係も原則として継続します。
そのため、養親と実親の両方について相続権を持ちます。
一方、特別養子縁組では、原則として実親との法律上の親族関係が終了します。
そのため、実親の相続人にはなりません。
養子縁組の種類によって相続権の範囲が異なる点に注意しましょう。
戸籍を抜いた人の相続権がなくなるケース
戸籍を抜くだけでは相続権を失いませんが、法律上の手続きや特定の事情によって相続人にならないケースがあります。
ここでは、その代表例をご紹介します。
相続放棄をした場合
相続放棄とは、被相続人の財産や借金などを一切相続しないための手続きです。
相続放棄が認められると、初めから相続人ではなかったものとして扱われます。
ただし、親が生きている間に相続放棄することはできません。
原則として、相続の開始を知り、自分が相続人になったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。
相続欠格や相続人の廃除に該当する場合
相続欠格とは、被相続人を故意に死亡させた場合や遺言書を偽造・隠匿した場合など、民法で定められた一定の行為によって相続権を失う制度です。
また、相続人の廃除は、被相続人に対する虐待や重大な侮辱などがあった場合に、家庭裁判所の判断によって相続権を失わせる制度です。
ただし、廃除の対象は遺留分を有する推定相続人に限られます。
単に親子関係が悪い、戸籍を抜いた、長年会っていないといった理由だけで、相続欠格や廃除が認められるわけではありません。
親の遺産を相続したくない場合の対処方法
親との関係を断ちたい場合や、借金を引き継ぎたくない場合には、相続放棄などの方法を検討する必要があります。
ここでは、相続権を守るための方法を紹介します。
家庭裁判所で相続放棄の手続きを行う
相続放棄を希望する場合は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ申述します。
一般的な手続きの流れは以下のとおりです。
申述には収入印紙800円分などの費用がかかります。必要書類は被相続人との関係によって異なるため、家庭裁判所の案内を確認しましょう。
相続放棄をする前に遺産を処分すると、単純承認と判断される可能性があるため注意が必要です。
限定承認を検討する
親の相続財産に借金があるものの、預金や不動産も残されている場合は、限定承認という方法もあります。
限定承認は、相続によって得た財産の範囲内で、被相続人の債務を負担する制度です。
ただし、相続人が複数いる場合は、原則として相続人全員で手続きを行う必要があります。手続きが複雑になることもあるため、弁護士などの専門家に相談するとよいでしょう。
戸籍を抜いた後の相続トラブルを防ぐための注意点
戸籍を抜いた後も相続権が残るため、親族間で遺産相続の問題が発生する可能性があります。
ここでは、親の戸籍から自分を抜いた後の注意点を紹介します。
遺産分割協議には相続人全員の参加が必要
遺言書などによって遺産の承継先が決まっていない場合、相続人全員で遺産分割協議を行うのが一般的です。
親の戸籍から抜けた子どもも相続人であれば、協議に参加する必要があります。
相続人を一人でも除いて行った遺産分割協議は、原則として有効に成立しません。
相続手続きを進める際は、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本などを取得し、相続人を正確に調査することが重要です。
遺言書や遺留分について確認する
親が特定の相続人に財産を渡したい場合は、遺言書を作成する方法があります。
ただし、子どもなど一定の相続人には、最低限の遺産取得を保障する遺留分が認められています。
遺言によって遺留分が侵害された場合、要件を満たせば遺留分侵害額請求が可能です。
遺言書を作成する際は、公正証書遺言などの方法を検討し、遺留分にも配慮すると相続トラブルの予防につながります。
相続税の申告や不動産の名義変更にも注意する
相続税は、遺産の課税価格が基礎控除額を超える場合などに申告が必要になります。基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。
また、相続によって不動産を取得した場合は、原則として取得を知った日から3年以内に相続登記を申請する義務があります。
相続税の申告期限は、原則として相続開始を知った日の翌日から10か月以内です。戸籍を抜いていても、相続人として必要な手続きや期限を確認しましょう。
まとめ
戸籍を抜いても、法律上の親子関係が続いている限り、原則として相続権はなくなりません。
結婚や分籍、別居などによって親の戸籍から除籍されても、親が亡くなれば相続人になります。
親の遺産を相続したくない場合は、戸籍を抜くのではなく、家庭裁判所で相続放棄の手続きを行う必要があります。
遺産分割協議や相続税の申告、相続登記など、必要な手続きも確認しておきましょう。
親族との関係が複雑な場合や相続トラブルが心配な場合は、弁護士や司法書士、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。















