成年被後見人（せいねんひこうけんにん）とは、精神上の障害などによって物事を判断する力が十分でないと認められ、家庭裁判所から「後見開始の審判」を受けた人のこと。法律上は、自分だけで契約や財産の管理をするのが難しいとされ、代わりに「成年後見人」が選ばれて支援する仕組みになっている。

例えば、父が亡くなり、相続人の一人である長男が成年被後見人だった場合。遺産分割協議をするとき、長男本人は判断能力が不十分とされるため、成年後見人が代わりに協議に参加する。

父の土地や預金をどう分けるかを決める場面で、成年後見人が長男の利益を守りながら話し合いに加わる。これによって、長男が不利な扱いを受けないように法律が仕組みを整えている。