相続放棄をすると、法律上は「最初から相続人ではなかった」として扱われます。では、亡くなった方(被相続人)名義の車が残っている場合、何か手続きをしなければならないのでしょうか。
結論から言えば、原則として責任はありません。ただし例外があります。ここでは、誤解しやすいポイントをわかりやすく整理して解説します。
目次
原則:相続放棄をすれば車の責任は負わない
相続放棄とは、「財産も借金も一切引き継がない」という制度です。そのため、故人名義の車についても、基本的に管理や費用負担の義務はありません。
たとえば、以下のような場合でも相続放棄をしていれば支払う義務はありません。
- 自動車税が未納になっている
- 駐車場代が滞納している
- 廃車手続きが必要になった
過度に心配する必要はありません。
例外:自分が使っている場合は注意
注意すべきなのは、「占有(せんゆう)」している場合です。占有とは、実際に使ったり管理したりしている状態をいいます。
- 生前から自分がその車を使っていた
- 自宅駐車場に置き、鍵を自分が管理している
- 車検や保管を実質的に自分が行っている
このような場合は、民法上の管理義務が生じる可能性があります。「名義が自分でないから関係ない」とは言い切れない点が重要です。
⚠️ 勝手に処分すると“相続した”とみなされることがある
さらに注意すべきなのが「単純承認」です。単純承認とは、財産を処分するなど一定の行為をした場合に、「相続を全面的に認めた」と法律上みなされる制度です。
・車を売却する
・部品を取り外して処分する
・自分の判断で廃車にして費用を支払う
上記のような行為は、相続を承認したと判断される可能性があります。
もし単純承認とみなされると、相続放棄ができなくなり、車だけでなく借金も含めてすべてを相続することになるおそれがあります。これは非常に大きなリスクですので処分が必要な場合は、必ず他の相続人や専門家に相談しましょう。
まとめ:自己判断はもっともリスクがある行為
相続放棄をしていれば、原則として車の責任は負いません。しかし、「使っている」「触っている」「処分してしまった」という行為が思わぬ法的リスクにつながることがあります。
相続は車だけの問題ではありません。借金の有無、不動産、預貯金など全体を把握したうえで判断する必要があります。
清澤司法書士事務所では、相続放棄の判断から名義変更、不動産登記まで一貫して対応しています。初回の相談は無料ですので、電話やメール、LINEなどで気軽にお問い合わせください。
この記事の執筆・監修
清澤 晃(司法書士・宅地建物取引士)
清澤司法書士事務所/中野リーガルホームの代表。
「相続」業務を得意とし、司法書士には珍しく相続不動産の売却まで手がけている。
また、精通した専門家の少ない家族信託についても相談・解決実績多数あり。















