目次
- 相続人と連絡が取れない場合でも相続放棄はできる?
- 相続放棄は原則として各相続人が個別に行う手続き
- 他の相続人と連絡が取れなくても相続放棄は可能
- 相続放棄の申述期限(3か月)には注意が必要
- 相続人と連絡が取れない場合に起こりやすい相続トラブル
- 遺産分割協議が進まないケース
- 相続人の所在が不明な場合
- 相続放棄の期限に間に合わない可能性
- 相続人と連絡が取れない場合の相続放棄の進め方
- まずは戸籍を取得して相続人を確認する
- 相続人の住所を戸籍や住民票で調査する
- 内容証明郵便などで連絡を試みる
- 相続人が行方不明の場合の対応方法
- 不在者財産管理人の選任を申し立てる方法
- 失踪宣告が必要になるケース
- 家庭裁判所を利用した手続きの流れ
- 相続放棄をする際の具体的な手続き
- 家庭裁判所への相続放棄の申述
- 必要書類と費用の目安
- 申述が受理された後の流れ
- 相続人と連絡が取れない場合の注意点
- 相続財産に手を付けると相続放棄できない可能性
- 相続放棄の期限を過ぎないように注意/a>
- 他の相続人の手続きとは基本的に独立している
- 相続人と連絡が取れない場合によくある質問(FAQ)
- 相続人と連絡が取れないと相続放棄はできませんか?
- 他の相続人が手続きをしていなくても放棄できますか?
- 相続人が海外にいる場合はどうすればいいですか?
- 相続人と連絡が取れない場合は早めに専門家に相談を
- 相続放棄は期限が短いため早期対応が重要
- 相続人と連絡が取れない場合の相続手続きを進めるポイント
- 戸籍調査や家庭裁判所手続きを専門家がサポートできる
相続人と連絡が取れない場合でも相続放棄はできる?
相続が発生した際、他の相続人と連絡が取れないケースは決して珍しくありません。
例えば、兄弟姉妹と長年疎遠になっている場合や、相続人が遠方に住んでいる、住所が分からないといったケースもあります。
このような状況で「相続放棄をしたいのに他の相続人と連絡が取れない」という悩みを抱える方は多くいます。
しかし、結論から言えば 他の相続人と連絡が取れなくても相続放棄は可能です。
相続放棄は各相続人が個別に行う手続きであるため、他の相続人の同意や協力が必ずしも必要になるわけではありません。
ただし、相続放棄には期限があるため、連絡が取れないことで手続きが遅れると問題になる可能性もあります。
そこでここでは、相続人と連絡が取れない場合でも相続放棄ができるのか、また具体的な対処方法について解説します。
相続放棄は原則として各相続人が個別に行う手続き
相続放棄は、相続人それぞれが 家庭裁判所に申述することで成立する手続きです。
つまり、相続人全員で話し合いをして決めるものではなく、各相続人が個別に判断して手続きするものです。
例えば、相続人が次のような構成だった場合でも、それぞれが独立して判断できます。
-
配偶者
-
長男
-
次男
-
長女
この場合、長男だけが相続放棄をすることも可能ですし、他の相続人が相続をすることもあります。
このように 相続放棄は個人の判断で行える制度であるため、他の相続人と連絡が取れないこと自体が手続きの障害になるわけではありません。
他の相続人と連絡が取れなくても相続放棄は可能
相続放棄をする際には、他の相続人の署名や同意書などは必要ありません。
家庭裁判所に提出する主な書類は以下のようなものです。
-
相続放棄申述書
-
被相続人の戸籍
- 被相続人の住民票の除票
-
申述人の戸籍
-
収入印紙など
これらの書類を準備して家庭裁判所に提出すれば、他の相続人の状況に関係なく手続きを進めることができます。
そのため、
-
相続人と連絡が取れない
-
相続人が遠方に住んでいる
-
相続人と関係が悪い
といった場合でも、自分の相続放棄の手続きは単独で進めることが可能です。
相続放棄の申述期限(3か月)には注意が必要
相続放棄には期限があります。
原則として
「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」
に家庭裁判所へ申述しなければなりません。
この期間を 熟慮期間と呼びます。
もし3か月以内に相続放棄をしなかった場合、
-
相続を承認したとみなされる
-
借金などの債務も引き継ぐ
可能性があります。そのため、他の相続人と連絡が取れない場合でも、期限を意識して早めに手続きを進めることが重要です。
また、他の親族が相続放棄をしたことによって自分が相続人になった場合は、先順位者が相続放棄を行ったことを知った時から3か月以内となります。
相続人と連絡が取れない場合に起こりやすい相続トラブル
相続人と連絡が取れない状況では、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。
特に多いのが次のような問題です。
遺産分割協議が進まないケース
相続人全員で遺産の分け方を決める手続きを 遺産分割協議といいます。
しかし、相続人の一人と連絡が取れない場合、
-
遺産分割協議書を作成できない
-
不動産の名義変更ができない
-
預貯金の解約ができない
といった問題が発生することがあります。
相続手続きの多くは相続人全員の関与が必要になるため、連絡が取れない相続人がいると手続きが止まってしまうこともあります。
相続人の所在が不明な場合
相続人の住所が分からない場合には、まず戸籍や住民票を取得して住所を調査する必要があります。
それでも所在が分からない場合は、
-
行方不明
-
海外居住
-
住民票が移動されている
などの可能性があります。
このような場合には、家庭裁判所の手続きを利用する必要が出てくることもあります。
相続放棄の期限に間に合わない可能性
相続人と連絡が取れないことで、
-
財産の状況が分からない
-
借金の有無が確認できない
といった問題が発生することがあります。
その結果、相続放棄をするかどうかの判断が遅れてしまい、3か月の期限を過ぎてしまうリスクもあります。
このような場合には、家庭裁判所に熟慮期間の延長を申し立てることができる場合もあります。
相続人と連絡が取れない場合の相続放棄の進め方
相続人と連絡が取れない場合でも、適切な手順を踏めば相続放棄の手続きを進めることができます。
ここでは一般的な進め方を紹介します。
まずは戸籍を取得して相続人を確認する
相続手続きを進める際には、まず 相続人を正確に確認することが重要です。
そのためには次の戸籍を取得します。
-
被相続人の出生から死亡までの戸籍
-
相続人の戸籍
これにより、誰が法定相続人なのかを確認することができます。
相続人の住所を戸籍や住民票で調査する
戸籍の附票や住民票を取得することで、相続人の住所を確認できる場合があります。
これにより、
-
相続人の現住所
-
過去の住所履歴
などを調べることができます。
相続人と連絡が取れない場合でも、こうした公的書類を利用すれば所在を確認できるケースもあります。
内容証明郵便などで連絡を試みる
住所が分かった場合には、内容証明郵便などで連絡を取る方法もあります。
内容証明郵便を利用すると、
-
いつ
-
誰が
-
どのような内容を送ったか
を証明することができます。
相続に関する連絡をした証拠にもなるため、後の手続きで役立つことがあります。
ただし、内容証明を送っても相手が受け取らない場合は法的な意思表示が届いたとみなされないリスクがあります。
相続人が行方不明の場合の対応方法
調査をしても相続人の所在が分からない場合には、家庭裁判所の手続きを利用することがあります。
不在者財産管理人の選任を申し立てる方法
相続人が行方不明の場合には、家庭裁判所に 不在者財産管理人の選任を申し立てることができます。
不在者財産管理人とは、行方不明者の財産を管理するために家庭裁判所が選任する人物です。
この制度を利用することで、行方不明の相続人に代わって手続きを進めることができる場合があります。
ただし、不在者財産管理人は不在者の相続放棄を進めるわけではありません。あくまで、行方不明者の権利を守ることが仕事です。
失踪宣告が必要になるケース
相続人が長期間行方不明になっている場合には、失踪宣告という制度を利用することもあります。
失踪宣告が認められると、その人は法律上死亡したものとみなされるため、相続関係の整理が可能になります。
ただし、失踪宣告には
などの要件があるため、状況に応じた判断が必要です。
家庭裁判所を利用した手続きの流れ
相続人が行方不明の場合には、次のような流れで手続きが進むことがあります。
-
戸籍や住民票で所在を調査
-
連絡を試みる
-
所在不明の場合は家庭裁判所へ申立て
-
不在者財産管理人の選任などを行う
このように、家庭裁判所の制度を利用することで、相続手続きを進められる場合もあります。
相続放棄をする際の具体的な手続き
相続放棄をする場合には、家庭裁判所での手続きを行う必要があります。
他の相続人と連絡が取れない場合でも、相続放棄の手続き自体は 個人で進めることが可能です。
ここでは、相続放棄をする際の具体的な手続きの流れを解説します。
家庭裁判所への相続放棄の申述
相続放棄は、被相続人の最後の住所地を管轄する 家庭裁判所に申述することで成立します。
手続きは次のような流れで進みます。
-
相続放棄申述書を作成する
-
必要書類を準備する
-
家庭裁判所へ提出する(郵送または持参)
-
家庭裁判所から照会書が送られてくる
-
照会書に回答する
-
相続放棄が受理される
照会書とは、相続放棄が本人の意思で行われているかを確認するための書類です。
質問に回答して返送することで、手続きが進められます。
必要書類と費用の目安
相続放棄の申述には、主に次のような書類が必要になります。
主な必要書類
-
相続放棄申述書
-
被相続人の死亡が記載された戸籍
-
被相続人の住民票除票または戸籍附票
-
申述人の戸籍謄本
相続関係によっては、追加の戸籍が必要になることもあります。
費用の目安
相続放棄の費用は比較的少額です。
-
収入印紙:800円
-
郵便切手:数百円〜1,000円程度(裁判所により異なる)
-
戸籍取得費用:数百円〜数千円程度
専門家に依頼する場合は、別途報酬が必要になりますが、自分で手続きをすることも可能です。
申述が受理された後の流れ
家庭裁判所が相続放棄を受理すると、相続放棄申述受理通知書が送付されます。
これにより、法律上は次のような扱いになります。
-
最初から相続人ではなかったものとみなされる
-
被相続人の借金を引き継がなくてよくなる
必要に応じて、家庭裁判所に 相続放棄受理証明書を申請することもできます。
この証明書は、債権者や金融機関に対して相続放棄を証明する際に利用されます。
相続人と連絡が取れない場合の注意点
相続人と連絡が取れない状況では、相続放棄の判断や手続きに影響が出る可能性があります。
そのため、いくつかの注意点を理解しておくことが大切です。
相続財産に手を付けると相続放棄できない可能性
相続財産を処分したり使用した場合、相続を承認したとみなされる可能性があります。
これを 単純承認といいます。
例えば次のような行為は注意が必要です。
-
相続財産を売却する
-
預貯金を引き出す
-
不動産を処分する
このような行為をしてしまうと、相続放棄が認められない可能性があります。
そのため、相続放棄を検討している場合は、相続財産には安易に手を付けないようにすることが重要です。
相続放棄の期限を過ぎないように注意
相続放棄には 3か月の期限があります。
相続人と連絡が取れない場合でも、この期限は原則として変わりません。
そのため、
-
財産の調査を早めに行う
-
必要に応じて専門家に相談する
など、早めに行動することが重要です。
状況によっては、家庭裁判所に 熟慮期間の延長を申し立てることができる場合もあります。
他の相続人の手続きとは基本的に独立している
相続放棄は、他の相続人の手続きとは基本的に独立しています。
例えば、
-
他の相続人が相続する場合
-
他の相続人が相続放棄をする場合
でも、自分の相続放棄の手続きには影響しません。
そのため、相続人と連絡が取れない場合でも、自分の判断で相続放棄を進めることが可能です。
相続人と連絡が取れない場合によくある質問(FAQ)
ここでは、相続人と連絡が取れない場合によくある質問を紹介します。
相続人と連絡が取れないと相続放棄はできませんか?
いいえ、相続人と連絡が取れなくても相続放棄は可能です。
相続放棄は各相続人が個別に家庭裁判所へ申述する手続きのため、他の相続人の同意は必要ありません。
他の相続人が手続きをしていなくても放棄できますか?
はい、可能です。
他の相続人が相続をするかどうかに関係なく、自分だけ相続放棄をすることができます。
相続放棄は個人単位の手続きであるため、他の相続人の判断に左右されることはありません。
相続人が海外にいる場合はどうすればいいですか?
相続人が海外にいる場合でも、相続放棄の手続きは可能です。
海外に居住している場合には、
-
在外公館での証明
-
署名証明書の取得
などが必要になることがあります。
また、日本国内の専門家に手続きを依頼することで、手続きをスムーズに進めることも可能です。
相続人と連絡が取れない場合の相続手続きを進めるポイント
相続人と連絡が取れない場合でも、相続放棄や相続手続きそのものが進められなくなるわけではありません。重要なのは、戸籍調査や住所調査を行い、状況に応じて家庭裁判所の制度を利用することです。
例えば、相続人の所在が不明な場合には、不在者財産管理人の選任を申し立てることで、行方不明者に代わって手続きを進めることができる場合があります。このような制度を活用することで、相続手続きが完全に止まってしまう事態を防ぐことができます。
また、相続放棄を検討している場合には、期限内に家庭裁判所へ申述することが重要です。相続放棄の期限は原則として相続開始を知ってから3か月以内であり、財産調査や相続人調査に時間がかかる場合には、早めに対応を検討する必要があります。
さらに、相続手続きでは次のような対応が必要になることもあります。
-
戸籍や住民票等による相続人の調査
-
内容証明郵便等による連絡の試み
-
家庭裁判所への申立て
-
不在者財産管理人の選任
以上のような対応を状況に応じて進めることで、相続人と連絡が取れない場合でも相続手続きを進めることが可能になります。
なお、相続放棄や不在者財産管理人の申立てなどは専門的な判断が必要になるケースも多いため、不安がある場合は司法書士や弁護士などの専門家に相談することも検討するとよいでしょう。
当サイトの相続コラムでは、相続放棄や相続手続きに関する解説記事を多数掲載しています。ページ上部のメニューから、相続放棄手続きや相続人調査などの関連情報も確認することができますので、必要に応じて参考にしてください。
相続人と連絡が取れない場合は早めに専門家に相談を
相続人と連絡が取れない場合、戸籍調査や家庭裁判所の手続きなど、通常より複雑な対応が必要になることがあります。
そのため、状況によっては専門家に相談することも検討するとよいでしょう。
相続放棄は期限が短いため早期対応が重要
相続放棄の期限は原則として 3か月と短いため、判断や準備に時間をかけすぎると期限を過ぎてしまう可能性があります。
特に次のようなケースでは注意が必要です。
-
相続人が多い
-
相続人の住所が分からない
-
相続財産の内容が不明
このような場合には、早めに調査や手続きを進めることが重要です。
戸籍調査や家庭裁判所手続きを専門家がサポートできる
司法書士や弁護士などの専門家に相談することで、
-
戸籍調査
-
相続人調査
-
相続放棄申述書の作成
-
家庭裁判所の手続き
などをサポートしてもらうことができます。
相続人と連絡が取れない場合でも、専門家のサポートを受けることでスムーズに相続放棄を進められるケースもあります。
相続放棄は期限のある重要な手続きのため、少しでも不安がある場合は早めに専門家へ相談することが安心につながります。
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