自分が亡くなった後の手続きはどうなるの?

最終更新日:2026年3月10日

自分が亡くなった後、どんな手続きが必要になるのか…考えたくないテーマではありますが、実際には多くの事務が発生します。入院費の精算、死亡届の提出、遺体の引き取り、葬儀や埋葬の手配など、どれも避けて通れません。
では、これらの手続きは誰が行うのでしょう。

親族がいない、あるいは親族に負担をかけたくないという方にとって、この問いはとても切実です。
そんな不安を解消する方法のひとつが 「死後事務委任契約」です。

死後事務委任契約とは?

自分が亡くなった後に必要となる手続き(=死後事務)を、あらかじめ信頼できる人や専門家に依頼しておく契約です。生前のうちに「自分が亡くなったら、これをお願いします」と内容を決めておくことで、死後の混乱や心配を大きく減らすことができます。

依頼できる内容は幅広く、たとえば次のようなものがあります。

  • 役所への各種届出
  • 生前の医療費など未払い分の精算
  • 親しい友人・知人への連絡
  • 葬儀や埋葬の手続き など

これら以外にも、必要な事務を契約書に明記すれば依頼することができます。
「自分が亡くなった後、何をどうしてほしいのか」を具体的に書き残しておくことが大切です。

任意後見契約」+「死後事務委任契約」とセットで考える理由

「死後事務委任契約」は「任意後見契約」と一緒に締結される方がほとんどです。

「任意後見契約」とは

任意後見契約は判断能力が低下する前に、判断能力がしっかりしているうちに「将来、判断能力が低下したときにサポートしてほしい人」を自分で選んでおく制度です。

一方で、成年後見制度は判断能力が低下した後に利用する制度であり、本人が後見人を選ぶことはできません。

ただし、任意後見人・成年後見人の役割は 本人の死亡と同時に終了 します。つまり、後見人には死後の手続きを行う権限も義務もありません。

そこで必要になるのが、死後の事務を確実に進めてもらうための 「死後事務委任契約」 なのです。

誰に依頼すればいい?

ここが一番悩むところかもしれません。

信頼できる人がいて、その方が引き受けてくれるなら理想的ですが、死後事務には一定の負担が伴います。契約によって「義務」が発生するため、気軽に頼めるものではありません。

身近に適任者がいない場合や、より確実で安全な方法を選びたい場合は、司法書士などの専門家に依頼するという選択肢があります。

専門家に依頼する場合は報酬が必要で、一般的には 月2万円〜5万円程度 が目安です。
親族に依頼する場合は無報酬であることも多いですが、報酬を設定してはいけないという決まりはありません。報酬を決める場合は、契約書に明記することが必要です。

遺言書があれば安心?──実はカバーできない部分があります

遺言書はとても大切です。財産の分け方を明確にし、相続トラブルを防ぐためにも有効な手段です。

しかし、遺言書では 死後事務を法的に依頼することはできません。
遺言書と死後事務委任契約は役割が異なるため、どちらか一方だけでは不十分な場合があります。

「自分の希望を確実に実現したい」
「家族や周囲に迷惑をかけたくない」

そう考える方は、遺言書と死後事務委任契約の両方を整えておくと安心です。

まとめ:不安を減らすために、今できる準備を

死後の手続きは、誰にとっても避けられないものです。だからこそ、生前のうちに準備しておくことで、自分自身も、残される人も大きな安心を得られます。

死後事務委任契約や任意後見契約、遺言書などは、専門家と相談しながら進めることで、より確実で無駄のない形に整えることができます。

「自分の最期をどう迎えたいか」「どんな形で周囲に負担をかけたくないか」を考えるきっかけとして、ぜひ一度検討してみてください。清澤司法書士事務所では、初回相談は無料です。

この記事の執筆・監修

清澤 晃(司法書士・宅地建物取引士)
清澤司法書士事務所の代表。
「相続」業務を得意とし、司法書士には珍しく相続不動産の売却まで手がけている。
また、精通した専門家の少ない家族信託についても相談・解決実績多数あり。

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