実際のご相談からわかる【相続のお悩みQ&A】

相続のご相談は、状況が複雑で「自分の場合はどうなるのだろう」と不安を抱える方が多くいらっしゃいます。ここでは、実際に寄せられたご相談をもとに、よくあるお悩みをわかりやすくまとめました。
同じような状況でお困りの方は、どうぞ参考にしてください。「うちの場合はどうなるの?」という疑問があれば、お気軽にお問合せください。

【不動産売却の場合】相続した不動産の売却において司法書士から事前に権利証を郵送するよう案内がありましたが、原本を送るのは不安です。本当に郵送する必要はあるのでしょうか。

不動産売却の事前確認の段階であれば、原本を郵送する必要はありません。コピーで確認できる場合がほとんどです。原本は不動産売買の残金決済の当日にお持ちください。

<解説>
不動産を売却する際、司法書士は「決済日に確実に登記ができるか」を事前に確認します。そのため、権利証(登記識別情報通知)の内容を確認させていただくことがあります。

ただし、事前チェックの段階ではコピーで確認できるケースが多く、原本を郵送する必要はないことが一般的です。

一方で、売買の残金決済当日には原本が必要になります。原本がないと登記申請ができず、決済手続きが進められなくなる可能性があります。そのため、当日は必ず原本を持参するようにしましょう。

<参考コラム>
不動産売却の必要書類は”3つの段階”で考える│知って得する不動産売却の豆知識
※清澤司法書士事務所が母体の不動産会社「(株)中野リーガルホーム」のサイトへリンクします。

【相続登記(名義変更)の場合】相続手続きにおいて、司法書士から権利証を郵送で送るように言われましたが、原本は送りたくありません。送る必要がありますか?

原則として相続手続きに権利証の原本は不要ですので、コピーを送れば十分です。

<解説>
相続登記では、司法書士が「相続対象となる不動産を正確に特定する」必要があります。

通常は、固定資産税の名寄帳などの資料で確認できますが、共有持分の私道や小さな土地などが名寄帳に記載されていないこともあります。そのため、不動産の漏れを防ぐ目的で、権利証(登記識別情報通知)の内容を確認させていただくことがあります。

この場合も、基本的にはコピーで確認できますので、原本を郵送する必要はありません。

ただし、ごくまれに法務局から原本の提示を求められるケースもあります。その場合は、司法書士から事前に説明がありますので、指示に従って対応すれば問題ありません。

【遺言書トラブル】祖母が数年前に作成した遺言書を父が破棄したいと言い始めました。私はできれば破棄したくないのですが、どうしたらよいでしょうか。

家族であっても、本人以外が遺言書を勝手に破棄することは認められていません。

<解説>
遺言書は、遺言者本人の意思によって作成される非常に重要な文書です。そのため、家族であっても本人の意思に反して破棄したり、隠したりすることは法律上許されていません。

もし遺言書を本人以外の人が故意に破棄した場合、相続欠格事由(民法第891条)に該当し、破棄した人は相続人としての資格を失う可能性があります。

つまり、息子であるお父様であっても、祖母の意思に反して遺言書を破棄することはできません。破棄した場合には、相続権を失うなど重大な不利益を受ける可能性があります。

ただし、祖母ご本人が「内容を変更したい」「遺言書を撤回したい」と考え、自分の意思で破棄する場合は問題ありません。本人の意思確認ができないまま家族が処分することは、法律上も適切ではありません。

遺言書は遺言者の最終意思を守るための制度です。破棄したくないというあなたの判断は、法律的にも合理的なものといえるでしょう。

<参考コラム>
遺言書に対する誤解8つ

【相続と生活保護の両立】生活保護を受けているのですが、親の不動産を相続することになりそうです。相続しても生活保護は続けられますか?

生活保護を受給している方でも、不動産などの財産を相続すること自体は法律上可能です。ただし、相続によって得た財産の内容や価値によっては、生活保護の受給要件に影響する可能性があります。

<解説>
生活保護は「利用できる資産があるかどうか」を基準に判断される制度です。そのため、相続によって現金や価値の高い不動産を取得すると、生活が維持できると判断され、保護が停止または廃止される場合があります。

一方で、相続した財産がすぐに生活費に充てられない場合や、不動産が売却困難である場合など、個別事情によっては生活保護を継続できる可能性もあります。

このように、相続するべきか、生活保護を優先して相続放棄を検討すべきかは、状況によって判断が大きく異なります。 判断に迷う場合は、担当のケースワーカーや福祉事務所に相談し、現在の状況に応じたアドバイスを受けることが重要です。自己判断で手続きを進めると後にトラブルになることもあるため、必ず事前に確認するようにしましょう。

<参考コラム>
遺産を相続すると生活保護の受給停止になる?

【遺言内容の優先ルール】母が公正証書遺言をのこし亡くなりました。法定相続人は私を含め子ども二人で「すべて私(相談者様)へ譲る」と書かれていました。他の法定相続人が納得しない場合、遺産分割協議をしなければならないのですか?

原則として、遺産分割協議よりも遺言書の内容が優先されます。

<解説>
公正証書遺言がある場合、基本的には遺言書の内容に従って相続が行われます。そのため、他の相続人が同意していなくても、遺言書の内容どおりに相続することが可能です。

ただし、相続人全員が合意すれば、遺言書とは異なる方法で遺産を分けることもできます。誰か一人でも反対した場合は、遺言書の内容が優先されます。

また、兄弟姉妹以外の相続人には「遺留分」が認められています。遺留分とは、法律で保障された最低限の取り分のことです。

今回のケースでは、もう一人のお子様には遺留分があります。子どもの遺留分は法定相続分の2分の1です。 法定相続分が2分の1であれば、その半分である4分の1が遺留分となります。

もし遺留分を侵害している場合、相続した側は遺留分侵害額請求を受け、相当額の金銭を支払う必要があります。遺留分は原則として金銭で清算されます。

<参考コラム>
遺言書と遺留分は、どちらが効力ある?

【一部遺産分割の可否と注意点】遺産の一部だけを遺産分割協議することはできますか?

可能です。ただし、税務や手続き上の注意点があるため慎重に進める必要があります。

<解説>
遺産の一部だけを先に分ける「一部遺産分割」は法律上認められています。例えば、売却予定の不動産だけを先に分けるなどの対応が可能です。

ただし、相続税の申告期限は相続開始から10カ月と定められており、一部だけ遺産分割を行っても期限が延びることはありません。評価が確定していない財産が残っていても、期限内に申告を行う必要があります。

そのため、税務上の影響を考慮しながら進めることが重要です。

【葬儀費用の負担義務】弟が亡くなり、葬儀・納骨・四十九日まで私がすべて行いました。しかし後になって弟に子どもがいることが分かりました。相続人である弟の子に、葬儀費用だけでも支払ってもらうことはできますか。

原則として、葬儀費用の負担義務は相続人ではなく「喪主」にあると考えられています。

<解説>
葬儀費用は「相続財産から支払われる費用」と思われがちですが、法律上は相続債務には含まれないとされています。そのため、一般的には葬儀を主宰した喪主が負担するものと考えられています。

また、納骨や供養に関する費用は「祭祀承継者(先祖供養を引き継ぐ人)」が負担すると解されることもあり、喪主や祭祀承継者が必ずしも相続人とは限りません。したがって、相続人である弟のお子様に対して、法律上の支払義務として請求することは難しいと考えられます。

ただし、相続人が任意で費用を分担することは可能です。葬儀費用をめぐるトラブルは少なくないため、将来に備えて費用負担について事前に話し合っておくことが望ましいでしょう。

<参考コラム>
みなし財産とは?民法上の相続財産と相続税の対象となる財産は違う!?

【相続登記の第一歩】主人が先月亡くなりました。自宅を私名義に変更しなければならないのですが、まず何から始めればよいのでしょうか。

まず行うべきことは、戸籍を集めて相続人を確定することです。

<解説>
ご主人名義の不動産を相続する場合、最初に必要となるのは戸籍収集による相続人の確定です。亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を取り寄せることで、法律上の相続人を確認します。

相続人が複数いる場合は、通常「遺産分割協議書」を作成し、相続人全員の合意内容を文書にまとめます。相続登記にはこの協議書のほか、相続人の印鑑証明書や相続関係説明図などの書類が必要になります。

なお、2024年4月から相続登記は義務化され、相続を知った日から3年以内に申請することが法律で定められました。正当な理由なく期限を過ぎると、10万円以下の過料が科される可能性があります。

ご主人が亡くなられてまだ日が浅い場合は、まず心身を整えながら、状況を確認して少しずつ手続きを進めていくことが大切です。

<参考コラム>
相続した不動産を放置するとどうなる?

【介護条件付き相続】姉が「母の介護をする」という約束で父の財産を相続したのに、実際には介護をしていません。介護を強制したり、遺産分割協議をやり直したりすることはできるのでしょうか。

残念ながら、介護をしなかったことを理由に遺産分割協議をやり直すことはできません。

<解説>
「介護をする代わりに相続する」という約束があったとしても、介護をしなかったことを理由に遺産分割協議を解除することはできないとする裁判例が確立しています。

遺産分割協議は、一度成立すると法的安定性が重視されるため、後から「約束を守らなかった」という理由だけで無効にしたり、やり直したりすることは認められていません。

また、お姉様に介護を義務として強制する法的手段は、原則として存在しないのが現状です。 そのため、現実的にはお姉様に約束の履行を求めて話し合いを続けるしかない場合が多いといえます。

なお、「介護を条件に財産を渡す」場合には、本来は「負担付き贈与」や「負担付き遺贈」として、契約書や遺言書に明確に定めておく必要があります。

しかし、今回のように口約束や曖昧な合意にとどまる場合は、法的に強制することは難しくなる傾向があります。

【負担付き遺贈と義務不履行】父が「母の面倒を見る代わりに、長男○○に自宅不動産を相続させる」という遺言書を残して亡くなりました。しかし長男は不動産を取得したにもかかわらず、母の介護を全くしていません。何か対応する方法はないのでしょうか。

これは「負担付き遺贈」にあたるため、長男が義務を果たさない場合には、家庭裁判所に遺言の取消しを請求できる可能性があります。

<解説>
ご相談のケースは、遺言書によって「財産を与える代わりに一定の義務を課す」負担付き遺贈(民法1027条)に該当する可能性があります。

負担付き遺贈を受けた人が、その義務(今回でいえば母の介護)を履行しない場合、相続人には次のような法的手段が認められています。

① 相当の期間を定めて履行を催告することができる
相続人は、長男に対して「いつまでに介護義務を果たしてください」と期限を定めて履行を求めることができます。これは法律で認められている正式な手続きです。

② それでも義務が履行されない場合は、家庭裁判所に遺言の取消しを請求できる
催告をしても義務が履行されない場合、相続人は家庭裁判所に対して負担付き遺贈に関する遺言の取消しを請求することができます。

取消しが認められれば、長男が取得した自宅不動産について、相続関係を見直すことができる可能性があります。

【遺留分請求と不動産評価】親が兄にだけ財産を遺す公正証書遺言を残して亡くなりました。遺留分を請求する際、不動産の価格はどのように評価するのでしょうか。

評価額について意見がまとまらないケースも多いため、その場合は不動産鑑定士による鑑定を依頼したり、複数の不動産会社に査定を依頼して第三者の意見を参考にしたりすることで、話し合いが進みやすくなります。

<解説>
■ 不動産評価の4つの基準

  1. 固定資産税評価額
    市区町村が固定資産税の計算のために定める評価額で、一般的に実勢価格より低くなることが多いとされています。
  2. 路線価
    国税庁が毎年公表している土地価格で、相続税や贈与税の計算基準として用いられます。
  3. 地価公示価格
    国土交通省が公表する土地価格で、一般的な土地取引の目安となる価格です。
  4. 実勢価格(取引価格)
    実際の市場で売買されている価格で、市場の動向を最も反映した価格といえます。

不動産の評価方法によって金額は大きく変わるため、どの基準を採用するかは遺留分の金額に直接影響します。相続人同士で合意できない場合には、不動産鑑定士による鑑定や複数の不動産会社の査定を参考にしながら、協議を進めることになります。

また、公正証書遺言で特定の相続人に財産を集中させる内容であっても、遺留分を侵害している場合には遺留分侵害額請求を行うことができます。そのため、不動産の評価は手続きの中でも特に重要なポイントとなります。

<参考コラム>
不動産の相続税評価額とは?│税金・保険に関するQ&A

※清澤司法書士事務所が母体の不動産会社「(株)中野リーガルホーム」のサイトへリンクします。

【相続放棄と故人の支払いの扱い】兄の相続について相続放棄を検討していますが、お世話になった病院の入院費は支払ってもよいのでしょうか。

相続放棄を検討している場合、故人名義の預金から入院費を支払うことは避けたほうがよいとされています。

<解説>
故人の財産を処分したとみなされ、「相続する意思がある」と判断される可能性があるためです。

どうしてもお世話になった病院へ支払いたい場合は、相続人ご本人の財産(ご自身の財布)から支払う形であれば問題ないとされています。

また、入院費の保証人になっている場合には、相続放棄とは関係なく保証人としての支払い義務が生じることになります。

【後見人と不動産の扱い】認知症になって後見人がついた場合、不動産はどのように扱われるのでしょうか。自分名義の不動産は、認知症になり後見人が選任された場合、後見人のものになってしまうのでしょうか。また、売却することはできるのでしょうか。

後見人が選任されたとしても、不動産の所有者が後見人に変わることはありません。

<解説>
不動産はあくまで本人名義のままであり、後見人は本人の財産管理や生活を守るための支援を行う立場です。

ただし、本人の生活費や介護費用を確保するために必要と判断される場合には、後見人が不動産の売却手続きを行うことがあります。

その際、後見人が自由に売却できるわけではなく、家庭裁判所の許可を得る必要があります。

つまり、後見人が勝手に不動産を売却することはできず、必要性が認められた場合に限り、裁判所の監督のもとで売却が行われる仕組みになっています。

【借地権は相続財産になる?】弟名義の土地に父が家を建てて住んでいました。父が亡くなった後、相続財産をめぐって弟の弁護士から「借地権は相続財産にはならない」と言われました。本当に借地権は相続財産に含まれないのでしょうか。

まず確認すべきなのは、お父様と弟様の間でどのような契約関係があったのかという点です。もし賃料の支払いがなく、無償で土地を使わせてもらっていたのであれば、その関係は一般的に「使用貸借」と判断されます。

<解説>
使用貸借契約は、原則として借主が亡くなると終了するため、借地権として相続財産に含まれることはありません。

一方、お父様が弟様に対して賃料を支払っていた場合は「賃貸借契約」となり、この場合には借地権が認められ、相続の対象となります。

つまり、借地権が相続財産に含まれるかどうかは、実際に賃料の支払いがあったかどうかや、契約内容がどのようなものであったかによって判断されることになります。

<参考コラム>
【実例】借地権付建物の売却

※清澤司法書士事務所が母体の不動産会社「(株)中野リーガルホーム」のサイトへリンクします。

【代償金は必要?】父が亡くなり、相続財産は自宅不動産です。子ども三人のうち一人がこの不動産を相続した場合、他の相続人に現金を渡さなければならないのでしょうか。

相続人全員が納得しているのであれば、一人が不動産を相続した場合でも、他の相続人に現金(代償金)を支払う必要はありません。

<解説>
ただし、遺産分割協議は相続人全員の合意が前提となるため、他の相続人が「不動産の価値も含めて公平に分けたい」と考えている場合には、不動産を取得した相続人が代償金を支払う方法が選ばれることが多くあります。

また、話し合いがまとまらない場合や公平性を重視したい場合には、不動産を売却して現金化し、その現金を相続人で分ける「換価分割」という方法が取られることもあります。

<参考コラム>
代償分割とは?兄弟姉妹で揉めない遺産分割
換価分割とは?誰も住まない実家を現金化

※清澤司法書士事務所が母体の不動産会社「(株)中野リーガルホーム」のサイトへリンクします。

【認知症の親の不動産売却】認知症の母の不動産を売却したいのですが、可能でしょうか。

不動産の売却を有効に行うためには、本人に「意思能力」があることが前提となります。

<解説>
認知症と診断されていても、取引時点で意思能力があると判断されれば、不動産売買が有効と認められた例もあります。 そのため、「認知症=絶対に売却できない」「必ず成年後見制度を利用しなければならない」と一概に言い切ることはできません。

ただし、司法書士としては、判断能力が低下している方の大切な財産を安易に処分することはできないため、売却についてご本人の意思が本当に存在するのか、内容を理解しているのかを慎重に確認する必要があります。

意思能力が不十分と判断される場合には、家庭裁判所に成年後見人の選任を申し立てたうえで、後見人が裁判所の許可を得て売却するという流れになります。

<参考コラム>
親が認知症だと家が売れない?成年後見人とは

※清澤司法書士事務所が母体の不動産会社「(株)中野リーガルホーム」のサイトへリンクします。

【孤独死後の相続手続き】孤独死にも対応していただけますか?

孤独死が発生した場合でも、相続手続きから不動産の売却まで一括してご相談いただくことが可能です。

<解説>
相続財産の内容が分からない場合でも、可能な限り調査を行い、必要な手続きを進めていきます。

また、不動産については、亡くなってから発見されるまでの日数や室内の状況によって、売却活動への影響が大きく変わることがあります。そのため、まずは状況を詳しくお伺いしたうえで、最適な進め方をご提案いたします。

<参考コラム>
おひとり様の終活・相続

【必要期間の目安】遺産分割協議書の作成にはどのくらいの時間がかかりますか。

相続人の確定、相続財産の内容、そして遺産分割の内容について相続人全員の合意がすでに得られている場合には、遺産分割協議書はおおむね1週間前後で作成することが可能です。

<解説>
必要な情報がそろっており、協議内容に争いがないケースであれば、比較的スムーズに書面化が進みます。

ただし、相続人の調査や財産の確認に時間を要する場合や、分割内容について意見がまとまらない場合には、作成までの期間が長くなることもあります。

<参考コラム>
遺産分割の流れと、進まない3つの理由と対処法を解説!

【自筆証書遺言を安全に保管する仕組み】自筆証書遺言の法務局保管制度はどんな制度ですか。

自筆証書遺言の法務局保管制度とは、遺言者が自分で作成した遺言書を法務局で安全に保管してもらえる制度です。

<解説>
自宅で保管する場合に起こりがちな「紛失」「相続人による廃棄・隠匿・改ざん」といったリスクを防ぐために創設されました。

遺言者本人が法務局に出向いて申請を行い、遺言書は原本の保管と画像データ化によって管理されます。遺言者の生前は本人以外が閲覧することはできず、死亡後は相続人が閲覧や写しの交付を請求することができます。

また、この制度を利用した自筆証書遺言は家庭裁判所の「検認」手続きが不要となるため、相続開始後の手続きを比較的スムーズに進めることができる点も大きなメリットです。

<参考コラム>
法務局で遺言書を保管できる?自筆証書遺言を安心して残す方法

【遺贈の放棄ルール】遺言書の一部を放棄することはできますか?

遺言で特定の財産だけを受け取る「特定遺贈」であれば、受遺者は遺贈を放棄することができ、一部だけ放棄することも可能です。

<解説>
一方、財産全体の一定割合などを受け取る「包括遺贈」の場合、受遺者は相続人と同じ立場で扱われるため、放棄するには相続放棄の手続きが必要になります。相続放棄には期限(熟慮期間)があり、家庭裁判所での手続きが必要です。また、相続放棄は一部だけ行うことはできません。

このように、特定遺贈と包括遺贈では放棄のルールが大きく異なるため、違いを理解しておくことが重要です。

<参考コラム>
相続放棄の手続き|3カ月過ぎてもできる可能性があります

【口座凍結と葬儀費用】亡くなった父の口座が凍結され、葬儀費用が払えません。どうすればよいでしょうか。

2019年の民法改正により、相続開始後に口座が凍結されていても、一定の条件を満たせば相続人が預金の一部を引き出せる制度が設けられました。

<解説>
この制度を利用すれば、葬儀費用など急ぎの支払いに充てられる可能性があります。ただし、利用には金融機関での手続きや必要書類があり、引き出せる金額にも上限があります。

具体的な方法は相続人の状況や金融機関によって異なるため、まずは状況をお伺いしたうえで、適切な手続き方法をご案内いたします。

<参考コラム>
相続で銀行口座が分からないときの調べ方

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